以下に記載するものは現時点で一般的に報告されている生理学的効果となります。
後に追加で記載して行く予定です。
①低酸素環境下でのトレーニング後では、赤血球・ヘモグロビンおよび血液量が増加することがわかっ
ております。
この増加により、血液中の酸素をより体内で運ぶ能力が改善され、持久力(有酸素性運動能力)の向
上につながると言われております。
②骨格筋の毛細血管の発達と酸素貯蔵体であるミオグロビン濃度が増加する事がわかっております。
この増加により、筋肉内で酸素をより効果的に利用できる能力が改善され、持久力(有酸素性運動能
力)の向上につながると言われております。
③ミトコンドリアにおける酸化系酵素活性およびミトコンドリア量が増加することにより、筋肉内で酸
素をより効果的に利用できる能力が改善され、持久力(有酸素性 運動能力)の向上につながると言わ
れております。
④ ①~③の結果として酸素の運搬能力・筋肉での酸素消費能力が高まります。
よって、全身持久力を計る指標として、
1分間で体内に摂取できる酸素量を量る「最大酸素摂取量(VO2MAX)」
が、が向上する事がわかっております。
この値が高いほど持久力が優れているとされます。
「最大酸素摂取量(VO2MAX)」の向上!
⑤エネルギー代謝能力の改善
〇人間は糖質や脂質などの栄養素を体内に取り込み、それをエネルギーに変換して運動しており、それ
を行っているのが細胞内のミトコンドリアです。
〇低酸素トレーニングを行うとミトコンドリアが増加し、効率よくエネルギーを生み出せる体質になる
ことがわかってきております。
〇長距離走では、糖質および脂質が主なエネルギー源になり、フルマラソンは「ちょっときつい」位の
ペース=乳酸性作業閾値「LT:lactate threshold」のあたりで走ります。
〇一般の人では、このペースにおける糖質と脂質の使用割合は、糖質と脂が質半々~糖質がやや多く消
費されます。(50%~70%程度)
〇更に長い距離を走る場合、例えばウルトラマラソンにおけるペースは、フルマラソンよりさらにゆっ
くりとなり、さらに脂質の使用割合が高まるといわれております。
〇低酸素トレーニングをすることで乳酸性作業閾値が向上、脂質代謝能力が高まるとされる。
〇乳酸性作業閾値が向上、脂質代謝能力が高まる事で糖質を節約して脂質をより使える体質になるとさ
れています。
⑥H+(水素イオン)の緩衝能力が向上すること、また血中乳酸濃度生成(蓄積)が抑制されることによ
り、疲労を延長させる能力が改善され、無酸素性運動能力の向上につながると言われております。
⑦低酸素刺激が健康増進や生活習慣病 予防にもたらす効果が新たに注目され、有る研究報告を参考にま
で記載すると、 4 週間にわたる低酸素環境での有酸素トレーニン グは、通常酸素環境で行う同一のトレ
ーニングと比較し て食後血糖値の上昇抑制に対する効果(インスリン感受 性の改善効果)の大きいこと
を確認されている。
⑧低酸素環境では、ブドウ糖経口摂 取後における血中グルコース濃度の増加が大幅に軽減さ れることや
糖利用の亢進すること も報告されている。
⑨肥満者を 対象にした研究では、低酸素環境で行う 4 週間の有酸素 トレーニングが通常酸素環境で行う同一のトレーニング に比較して、体脂肪量を大きく減少させた報告もある。
⑩低酸素トレーニングに伴う体脂肪量減 少の要因の一つとしては、食欲抑制に伴う食事摂取量の 減少も
指摘されております。